整形外科疾患
当院で診療することの多い病気について解説してみました。
受診の際にお読みください。
骨粗鬆症
骨量が絶対的に減少した状態です。今後も高齢化社会の加速化とともに確実に増え、その障害に適切に対応するのは整形外科の急務とも言えます。中でも大腿骨近位部骨折、脊椎圧迫骨折は、寝たきり、要介護の問題に直結し、それによってまわりの家族へ与える影響も決して少なくありません。健康寿命を伸ばすためには「骨折をしない」という意識も常日頃から高めていただくことが大切です。
腰痛症
腰痛は極めてありふれた病気です。一生涯に50~80%に人が一度は腰痛に悩ませられます。原因がよくわからない非特異的腰痛症が全体の85%を占めています。まずは安静、湿布治療、非ステロイド性抗炎症剤の内服を行います。痛みが増悪する場合や、下肢に痺れがある時はレントゲンやMRIでの精密検査が必要です。
腰部脊柱管狭窄症
脊柱管内の馬尾、神経根が慢性的に絞扼されて、神経症状が生じている状態の総称です。加齢とともに起こり得ます。脊柱管狭窄による静的圧迫で神経が阻血状態になっているところに、歩行による動的負荷が加わって生じる間欠性跛行は代表的な症状のひとつです。症状改善に乏しく、物理的な神経の圧迫が強ければ、保存療法の限界となり、最終的に手術が必要となることもあります。
変形性膝関節症
軟骨の摩耗、骨棘形成、変形、可動域制限などの関節構成体の退行性変化と増殖性変化を認めます。本来滑らかなはずの軟骨の表面の弾力性がなくなり、力のかかる部分はすり減ってきます。進行すると、かみ合わせが少しずつ悪くなって変形が進み、強い痛みでバランスをくずし、転倒・骨折につながることも十分あり得ます。ヒアルロン酸の関節腔内注射はテレビ、ラジオなどでもすでにお馴染みですが、日常生活への影響が大きくなれば、骨切り術や人工関節置換術などの外科的治療も考慮されます。