タバコはやめた方がよいか
2025.07.29
当院やその他の勤務先で拝見する患者さんは高血圧、糖尿病、脂質異常症が診察患者さん全体の70%くらいか、それ以上を占めていると思います。
皆さん「薬はしっかりのんで、塩分に気を使って、体重も注意して、一日8000歩いています。体調はとてもいいです。」と診察の時にお話してくれます。
ある60代の男性Aさんです
私(野本一臣)「血圧は120/74 ヘモグロビンA1cは6.2 LDLコレステロールは110 心電図も胸部レントゲンも異常ないから今は治療はとてもいいですよ。体重はあと3kgくらい減らしたらいいですね。ところでAさんはお酒とタバコはどうでしたっけ。」
Aさん「アルコールは週3回ビール500mlをのみます。タバコの方は20歳から毎日20本、やめたいですがやめられません。」
私「アルコールは多少はいいけど、タバコを吸う人は今まで自分の経験では、いろいろな検査値や血圧も問題ないのに、突然心筋梗塞や脳梗塞になる人が毎年3人はいますよ。そのあとつらい治療を3ヶ月くらいは大学病院で受けて、リハビリテーション病院に入院して、また自分のところに戻ってきます。そうならないように、まず禁煙ですね。」と言うのですが、
Aさん「タバコはやめた方がいいと思うのですが、だめですね。今までも数回禁煙をやりましたが、失敗しました。」
その3ヶ月後、Aさんは脳梗塞になり、約6ヶ月の治療後、当院へ戻ってきましたが、握力が弱くなり、仕事も軽作業のみとなりました。Aさんは「先生に言われた通り、タバコをやめればよかったなあ。」と言っていました。
と言うことで皆さんには禁煙をお勧めしています。現在禁煙外来は以前使っていたチャンピックスという内服薬が使えない状況なので中断中ですが、ニコチンパッチが入手出来次第再開する予定です。今まで10人以上の方が禁煙外来で禁煙できました。どうぞ皆さまも禁煙希望があれば(強いやめるという意志が必要ですが)ご相談ください。